令和6年度西条YEG会長ブログ

~心想心理を気の向くままに~

感動をありがとう

おはようございます。

始めにお伝えしておきますが、本日は少々暗い内容となるかもしれません。

連休を楽しんでらっしゃる方、お仕事をされている方、また興味のない方も含め、予めてご了承ください。

 

さて、既にご存知の方も多いでしょうが、ピアニストのフジコ・ヘミングさんがお亡くなりになられました。

朝から落ち込むほど、私的にはかなりショックを受けております。

私が言うのもアレですが、本当に素晴らしい音を出すピアニストでした。

最初に聞いたのは60代後半だったでしょうか。

その頃は私もまだ学生で若く、「自由に弾く人だなぁ」という印象だったと記憶しています。

70代の頃の演奏を聴いたときは「音に想いを込めているから自由になるんだ」と、納得させられました。

80代での演奏は「いつかは弾けなくなる。だからいま出せる音に全力を」。そんな気持ちが伝わってくるような力強さと、繊細で儚さのある音に本当に感動しました。

思えば、この頃すでに病気を患っていたのかもしれませんね。

 

最後に聴いたのはバイオリン等の弦楽器演奏者とのコラボコンサートでした。

「数時間前に現地に着いたばかりで、私はまだ疲れているの」なんてことを言いながら、少し嫌そうに演奏していましたね(笑)

それでも目を瞑って音を聴いていると、80代には到底思えないパワフルな指のタッチと、音と音の繋ぎの滑らかさに惚れ惚れしました。

 

【リストとショパンを弾くために生まれたピアニスト】と称賛され、特にラ・カンパネラという曲が特徴的でした。

イタリア語で「鐘」という意味のこの曲。

他のピアニスト達は早く機械的に弾くなか、落ち着いたテンポで一音一音を大切に沁みるように奏でています。

その表現が私には西洋の「鐘」のイメージだけではなく、日本のお寺の「鐘」の要素も入っているように思え、日本人の血が流れていた彼女だからこそ出せた音だったのではないかと、勝手に解釈しています。

 

「間違えることなんて全然問題じゃないの。大切なのは自分の出したい音を出せるかどうかよ」

 

体力的にも難しかったのでしょうが、できれば最後にもう一度、フジコ・ヘミングさんのソロコンサートを聴きたかったです。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。